成尾信春君に発言を許可いたします。
[成尾信春君登壇](拍手)
3
◯成尾信春君 平成十四年第四回
県議会定例会に当たり、公明党議員として一般質問を行います。
質問に先立ち、過日若くして御逝去されました高円宮殿下に哀悼の誠を捧げます。
日本の政治の中核を担うとの決意も新たに、我が公明党は十一月二日の第四回全国大会で「生活与党・公明党」、「与直し公明党」のスローガンを掲げ、連立政権第二期へ出発いたしました。まじめに働く人が報われる社会の実現を目指す「生活与党・公明党」のスローガンは、公明党が一貫して取り組んできた「生活者の政治」を政権与党の立場からさらに力を入れて推進していこうというものであります。いわゆる生活者の感覚を優先させ、国民への奉仕に徹していくとの強い決意の表明にほかなりません。また、「与直し公明党」には世の中を直す世直しの意味と与党の中で大いに公明党らしさを発揮するという意味が込められております。私もこの大会に出席をいたし、地域住民の側に立って全力で取り組もうと決意を新たに帰ってまいりました。
以下、地域懇談等を通して寄せられた要望や意見等も踏まえ質問をいたします。
まず、財政問題について伺います。
政府が閣議決定した来
年度予算編成の基本方針には、地方財政について人件費抑制や
地方単独事業の削減などで歳出を徹底的に見直し、
地方財政計画の規模を抑制すると明記されております。
国庫補助負担金は行政のスリム化の観点から縮減を進め、
地方交付税は
地方財政計画の抑制で総額抑制するとし、一方、税源移譲は税源配分の見直しを検討すると記するにとどまっております。
政府の
地方分権改革推進会議の最終報告でも税源移譲は明確にならず、国の補助金の廃止、
地方交付税改革、税源移譲は三位一体で進めるという小泉首相の
地方行政改革の基本方針はあいまいで不透明になっており、地方においてまさに死活問題になっております。
そこで、まず国の補助金廃止、税源移譲、
地方交付税改革は当然三位一体であるべきでありますが、
地方分権改革推進会議の報告についての知事の見解と対応について伺います。
次に、
義務教育費国庫負担金の削減による本県への影響についてでありますが、来年度予算で総額五千億円を一般財源化し、その財源は関係者間で協議・調整するものとし、税源移譲には全く触れておりません。
義務教育水準維持の観点からも容認できるものではありませんが、知事は本県への影響についてどのように考えておられるのか見解を伺います。
次に、県税収入の減額による
財政改革プログラム並びに新
年度予算編成への影響について伺います。
今回の補正予算案で県税収入七十八億七千余万円の減額補正が提案されておりますが、これは過去最大規模であり、十二月での県税補正は一九七五年度以来二十七年ぶりとのことであります。本年度の
地方税減収は全国的な傾向で、九月末現在、
地方財政計画の見込みにより一兆二千から三千億円も下回るようであります。県は県税不足分を補うために
減収補てん債を発行するとしておりますが、県債残高は一兆五千五百五十四億円に膨らみ、極めて深刻な状況であります。
我が県は今
財政改革プログラムによる財政運営中であり、当然
財政改革プログラムにも大きな影響が出るものと思われます。また年度末までにはさらなる減収も懸念されるところであり、十五
年度予算編成にも影響があるものと考えますが、知事の見解を伺うものであります。
次に、通告しておりました市町村合併問題については、既に代表質問で議論が交わされましたので割愛いたします。
今、
法定合併協議会の設置に向けた取り組みが急がれております。合併については地域住民の自主性と主体性を重んずるのは当然でありますが、現在及び将来ともに住民にとって評価のできる平成の合併になるよう、県としても可能な限りの積極的な支援を強く要請するものであります。
次に、
クリーンエネルギー一〇〇%の屋久島について伺います。
新
エネ利用特措法が成立し、新
エネルギーへの国民の関心が強くなり、本県においても根占町に続き、今月から坊津町で
九州最大規模の風力発電の建設が始まるようです。さらに燃料電池をめぐる話題が沸騰していて、ホンダやトヨタが
燃料電池車の販売に着手しました。また、トヨタ自動車と日野自動車が共同で
燃料電池バスを国産車として初めて展示いたしました。
燃料電池は、燃料の持つ
化学エネルギーを直接
電気エネルギーに変換するため、発電効力が高いことや化学反応の過程で発生する熱を有効利用することが可能であります。また排出するのは水だけであり、騒音や振動も発生しないというすぐれたものであります。先日は小泉首相も試乗して満足しておられましたが、今後の課題はコストの低減と電気情報などの規制をどうクリアするかにかかっております。
我が県においては、「まんてん」で今や注目の屋久島において、さらに画期的な実験が行われるようであります。
温室効果ガスの二酸化炭素や有害物質を排出しない水素燃料の製造・供給基地を整備し、島内の乗用車に供給する
水素社会モデル地区プロジェクトが来年にも始まるようであります。
屋久島電工が
自動車メーカーや電力業界と協力して来年の半ばに事業会社を設立、廃棄物ゼロを目指す
循環型社会づくりに加えて、
エネルギー分野でも脱化石燃料を掲げた
屋久島モデルとしてアピールしたい考えのようです。年間四千から一万ミリの豊富な雨量を利用して水力発電により電気を供給していますが、今後は風力・太陽光・波力を活用して電源開発に取り組み、発電だけでなく
燃料電池車と水素自動車の実用化をにらみ、
水素製造工場や貯蔵タンク、充填所を整備する計画であります。
屋久島電工では政府が進める
構造改革特区を申請しており、屋久島での規制緩和の前倒しを求めているようです。将来的には沖縄など島外にも水素を供給し、屋久島の経済振興に役立てるとともに、エコツーリズムを絡めた地域づくりを目指しております。
そこで、屋久島で行われるこれらの
プロジェクトに対する知事の見解を伺います。
二点目は、この
プロジェクトに関連する規制が二〇〇五年から緩和される予定ですが、
屋久島電工としては
構造改革特区の申請で緩和を前倒ししたいと考えているようですが、本県も強く後押しすべきであると考えますが、知事の見解を伺います。
次に、県民生活の諸問題について伺います。
まず、県営住宅の改善事業について伺います。
公営住宅が建設されて数十年経過し、居住空間の改善をよく相談されることが多くなっております。
鹿児島市内においては市営住宅と隣り合わせの県営住宅も多く、市営住宅の改善が目につくため、県民からよく皮肉を言われております。
議員になりたてのころ県に手すりの設置を相談に行ってもなかなか厳しい返事しかもらえなかったのですが、現在手すりの設置率が七八・八%までになっております。さらにバリアフリーの観点から
エレベーターの設置が注目されるようになり、本県でも数多くの声が寄せられております。私も県の範囲が広いので大変なことは理解しながら、住民の要望を何回となく県に要望いたしておりました。その結果、志布志町、名瀬市に次ぎ、
鹿児島市内でも県営住宅に
エレベーター設置を含めた改善事業が実施されることになりました。県民の立場から評価をしたいと思います。
そこで、本
年度県営住宅の
改善事業実施状況について伺います。
先日は桜ケ丘で
住民説明会があり、私も参加いたしました。皆さんは明るい表情で説明を聞いておられ、最大の関心は家賃でした。家賃は説明を聞き納得されたようでしたが、別な問題で活発な意見が出ました。その問題とは、浴室の問題でした。
給湯設備改善工事で行われるのは、浴槽の交換とシャワーが設置されるだけであります。担当者は、浴室の塗りかえは現時点で考えていないと言っていました。一斉に会場に詰めかけた住民から「浴室の改善なのに浴槽だけがきれいになり浴室の壁はそのままとは何事か」と反発の意見が飛び出しました。私も全く同感で、怒るのも無理ないと思います。
そこで、二点目は浴室の塗装も含めた改善をぜひ行っていただきたいとの思いから、
住民説明会での意見集約及び検討状況について伺います。
次に、ITの推進について通告いたしておりましたが、時間の関係で割愛しますが、離島や過疎地域をブロードバンドする際に必要不可欠となる光ファイバーの増設や超
高速インターネット衛星の導入に財政的な支援を行う新たな
地域間通信バックボーン整備事業が検討されているようでありますので、鹿児島県がデジタルディバイドにならないよう積極的な対応を要請して一回目の質問といたします。
[
知事須賀龍郎君登壇]
4 ◯知事(須賀龍郎君) 去る十月末に
地方分権改革推進会議が取りまとめました「事務・事業の在り方に関する意見」は、
地方分権改革のさらなる推進という見地から、国と地方の役割分担に応じて社会保障など主要五分野の見直し方針と具体的措置の提言が示されております。しかしながら、
国庫補助負担金の廃止・縮減に関しましては、これまで本県が
全国知事会等を通じまして要望してまいりました税源移譲を含む税源配分のあり方の検討を同時に行う視点が取り入れられていないことは、まことに残念に存じております。
今後とも
地方行財政制度のあり方の検討に当たりましては、
地方公共団体の意見も十分に反映して、国から地方への
税源移譲等によります
地方税財源の充実確保に向けまして万全の措置が講じられますよう、
県開発促進協議会や
全国知事会等を通じまして、あらゆる機会に国に強く要請をしてまいりたいと考えております。
次は、
義務教育費国庫負担制度は義務教育の円滑な推進に重要な役割を果たしてきているものと認識いたしておりますが、
地方分権改革推進会議の最終報告のとおり、退職手当など五千億円程度が削減された場合には、本県への影響額は百億円程度が見込まれております。しかも、この報告によりますと、財源措置の具体的なあり方が明確に示されておらず、単なる地方への負担転嫁でありまして、到底私どもといたしましては容認できるものではないと考えております。
したがいまして、先般
県開発促進協議会の会長であります県議会議長とともに文部科学省に参りまして強くこの点につきましては申し入れをしたところであります。県といたしましては、今後とも教育水準の低下や不均衡、地方の
財政負担増などをもたらすことがないように、
全国知事会などを通じまして、この点につきましても国に強く要請をしてまいりたいと考えております。
次は、今回製造業の業績悪化やあるいは金融業の収益減少によりまして県税の減額補正を今議会に提案を申し上げているところであります。またこの減収に対しましては、
減収補てん債の発行や交付税の算定を通じた調整も見込まれているところであります。しかしながら、法人二税以外の税目につきましても、税収見通しは極めて厳しい状況にございまして、引き続き年度末に向けまして税収の確保を初め所要の財源確保に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
また
財政改革プログラムにおきましても、現下の極めて厳しい景気動向などから、今後の財源確保の先行きには予断を許さないものがございますが、来年度予算はもとより、毎年度の予算編成の際にも引き続きまして歳入歳出面における徹底した見直し作業を進めまして財政改革の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。
次は、
屋久島電工が屋久島において進めようとしております
水素社会モデル地区プロジェクトは、水力発電や風力発電等の
再生可能エネルギーによって水素を製造し、島内の自動車をすべて水素燃料化しようとするものでありまして、将来的には屋久島を水素の供給基地とするなど、
世界自然遺産の島にふさわしい水素社会の実現を図ることを目的としていると伺っております。このような
再生可能エネルギーを活用した
プロジェクトが進められることにつきましては、地球環境問題への対応という面から見ましても極めて有意義なことであると考えております。
屋久島電工におきましては現在具体的な計画を検討中ということでございますので、今後の検討の状況等も十分見守ってまいりたいと考えております。
5 ◯企画部長(迫田 昌君)
屋久島電工が国に提案をいたしました
水素社会モデル地区プロジェクトに係る規制緩和は、そのほとんどが
水素ガス取り扱いに係る保安上の事項でございますけれども、これらにつきましては安全基準に係る事項でありますことから、国におきましては平成十七年初めまでに所要の基準を整備する予定と聞いております。
屋久島電工におきましては現在具体的な計画を検討中とのことでありますことから、県といたしましては、国や
屋久島電工の今後の検討状況等も見極めながら適切に対応してまいりたいと考えております。
6 ◯土木部長(直江延明君)
既設公営住宅の
住戸改善事業につきましては、公営住宅のストックを効率的かつ総合的に活用いたしますため、「鹿児島県
公営住宅ストック総合活用計画」に基づきまして、団地の状況に応じて給湯設備等の改善、
エレベーター設置あるいは住宅内部の
段差解消工事などを進めているところでございます。平成十四年度におきましては、鹿児島市の
桜ケ丘団地など県内六団地におきまして
住戸改善工事を実施しているところでございます。
事業の実施に当たって入居者から出されます要望につきましては、県内の他団地の
整備水準等に照らしまして可能なものにつきましては対応するよう努めているところでございまして、例えば
桜ケ丘団地の浴室の壁の塗りかえにつきましては、今般浴室を含みます
給湯設備改善工事を行うこととしたことから、検討の結果、この改善工事の中であわせて実施するのが適当と判断いたしまして、これを行うこととしたところでございます。
今後とも団地の状況や入居者の意向を踏まえまして、
住戸改善事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
[成尾信春君登壇]
7
◯成尾信春君 それぞれ答弁をいただきましたが、時間の関係で最後にまとめて述べさせていただくこととし、引き続き質問に移ります。
岩石採取計画の認可について伺います。
大島郡住用村にある戸玉地区は、現在でも採石業者が三社操業しております。幹線道路からかなり離れた集落であり、私が行ったのはたまたま日曜日でしたので、静かな内海に面したすばらしい景色のところでした。
地区の公民館で住民の方々から説明を受けました。地区と業者間においては公害等が発生しないよう
公害防止協定書を取り交わしているにもかかわらず、業者は協定書を無視するような操業をしているとのこと。そのため海岸から吹き寄せる風に乗り採石場の粉じんが舞い降りるし、大型ダンプの巻き上げる粉じん、積み込み時の粉じんにより、終日窓を閉めての生活を余儀なくされる上、幼児がぜんそくになり集落を後にした人もいると伺いました。
また、ダイナマイトによる破砕が行われており
コンクリート家屋にひびが入っており、雨漏りのする家屋もあるようです。また、採石運搬船による
集積詰め込み時の騒音や振動により地区の方々は粉じん・騒音・振動等により大変な苦痛を味わっておられました。また、この海域は
ウニ・トコブシ・イセエビ等の産卵場として最適地であり、この集落の方々の多くが漁業を営んでおられるため、放置土砂の海への流出は海域汚染の損害を受けるとのことでした。私も住民の皆様の御意見を伺いながら、驚き言葉を失いました。
そうした現状の中で新たに採石場の建設が取りざたされることになり、地区住民は平成八年住民全員で新規の採石計画には許可をしない、
許可条件遵守のための指導・監督の強化について住用村議会へ意見書を提出し、全会一致で採択されているのにどうしてと怒りに満ちていました。
これらの経過を受けて、今回の計画に対して住用村長は、国の
特別天然記念物アマミノクロウサギなどの希少動物への影響があるとした上で認可は好ましくないとの意見書を県に提出されています。村長の意見書には、
文化財保護法や砂防法、林道通行の問題点も記されております。
そこで、住用村戸玉地区における今回の
岩石採取計画の認可申請に対して住民は業者の対応に不信感を深めていますが、県はこれまでどのような取り組みをしてこられたのか、また今後どのような取り組みをするつもりか伺います。また、獅子島の事例は島で初めての採石計画であったのに対して、今回の住用村の事例はこの地区だけで四番目の
採石場計画であり、地域住民に与える影響など県が判断する場合の前提条件が異なっていると考えますが、そこで獅子島での裁判の概要と今回の申請との相違について伺います。
さらに、住民は計画地は川の上流にあり、大雨や台風時に集落に危険が及ぶと叫んでおります。住民の切なる要望を受け不認可にすることこそ県民の安全な生活を守ることになると考えますが、決意を伺います。
次に、開陽高校の開校に伴う周辺整備について伺います。
本格的な単位制高校である開陽高校が来年の開校に向けて建設が着実に進展し、雄大な校舎の全景を目の当たりにすることができるようになってまいりました。谷山に住む一人として近くを通るたびにうれしくもあり、この学校に通う生徒の主体的な学習や体験活動により生徒一人一人の人間性の完成を心より願ってやみません。地元の方々も喜んでおられることと思います。
反面、交通渋滞の問題で心配の声も聞かれます。現在
区画整理事業による
下水道工事等も行われており、さらに開校に伴い全日制の生徒や通信制、定時制の生徒が出入りすると相当混雑が予想されるのではないかとの心配であります。
そこで伺いますが、第一点は、
県道鹿児島加世田線の
道路改修状況についてお示しください。
二点目は、南高校横の市道については普段も混雑しておりますが、
区画整理事業との兼ね合いもあると思いますが、どのような道路改修をされるのか伺うとともに、今後の計画についてもお示しください。
三点目は、開陽高校の通学区は全県下ですので、
公共交通機関を利用する生徒も多くなると考えますが、その対策はどのように考えておられるのか伺います。特にJRを利用する生徒の高校までの通学路の確保策についてお示しください。
次に、
観光振興策について伺います。
昨年映画「ホタル」の影響もあり、さらには航空会社の参入により鹿児島県への観光客が増加しており、本県の観光振興の観点から大変喜んでおります。団体旅行が少なくなり個人旅行が主流となった今、観光に新しい切り口が求められております。
その一つとして、地域の特色を生かした産業観光の考えが出始めています。産業観光を提唱している
須田寛JR東海会長によると、鹿児島での産業観光は江戸時代にできた日本最初の工場群「集成館」を初めとした遺跡、昔ながらの農漁業や菱刈金山等の古い
産業観光資源、焼酎工場や
喜入備蓄基地などの現在の資源、種子島宇宙センターという未来の資源に恵まれており、従来の観光地を絡めるとすばらしい観光コースができると言われております。
そこで第一点目は、県では「観光ま
ごころ県民運動推進会議」を設立され鋭意取り組んでおられますが、観光客の受け入れについて具体的な対策を伺います。
二点目は、他の県に行った県民や
県外観光客からよく言われるのですが、観光地までの道順がはっきりしない。いわゆる他の県では親切な標識があり迷うことがないのに、本県では車で施設へ行こうとして幹線道路を走ると、その近くまでこないと標識がなく道に迷うことが多いとのことでした。そこで観光客にわかりやすい親切で丁寧な標識の設置が極めて重要であると考えますが、所見と今後の取り組みについて伺います。
次に、
保健福祉行政について伺います。
私は数多くの入学式に参加しておりますが、
桜丘養護学校の入学式ほど感動した入学式はありませんでした。小学校一年生と中学一年生の二人だけの入学式でした。新入生は
ペルテス病のため車いすの上に足を開いたまま金属の棒で固定されておりました。在校生の中にも同じような子もいました。しかし、校長先生の話に聞き入る新入生の目は輝き、真剣な様子に感動をいたしました。
子供たちは整肢園で生活しながら学校へ通っているとのことでございますが、一点目は、現在の入所者数と、そのうち
ペルテス病での入所者数について伺います。入学式終了後、保護者に祝福を言った折、「子供たちの真剣さに親としても頑張りがいがあります。しかし、通所するために経済的な負担が多いので困ります」とのことでありました。
二点目は、整肢園に入所している児童生徒の土・日等における帰宅の実態はどのようになっているのでしょうか。また、帰宅する際の交通費等への助成はどうなっているのか伺います。
三点目は、保護者の中には離島からの入所者もおられ、入所児童を見舞うとき交通費に加えて宿泊費がかかりますが、このような保護者の負担軽減についてどのように取り組んでおられるのか伺います。
次に、青少年の健全育成について伺います。
初めに、学校週五日制に伴う遊び場の確保について伺います。
「子ども一一〇番」が学校週五日制が実施されて土曜日の過ごし方について子供たちに調査した結果があります。それによると、「土曜日何してた」の質問では、小学生は、「好きなこと・遊び」三四・七%、「勉強・習い事」二六・四%が上位を占め、それに
イベント参加、のんびり・ぶらぶら、お手伝い、アルバイトの順でした。中学生は、「好きなこと・遊び」が四二・二%、群を抜いて多く、「部活」一八・一%、「勉強・習い事」一四・七%、のんびり・ぶらぶらと続きます。
これに対して「本当は何したいの」の質問では、小学生は、「遊びたい・好きなことをしたい」五七・六%で圧倒的でした。「出かけたい・旅行したい」一八・二%で二番目に多いのですが、「何してる」の質問にはなかったことから、現実と理想のギャップがあらわれているようであります。中学生は、「遊びたい・好きなことをしたい」四八・八%で、「ゆっくりしたい」一六・三%、「学校に行きたい・部活したい」一一・六%の順でした。ゆっくりしたいけど、部活や習い事をしなければおくれると感じている中学生が多いことがわかります。
一方、両親とも共稼ぎが多く土曜日に休みを取れないため、保護者は子供たちの土曜日の過ごし方に対する不安や、この制度への不満が充満しております。そこで土曜日の学校独自か、または地域での遊び場等の確保について、本県での実施状況はどのようになっているかお示しください。
次に、有害図書の取り締まり対策について伺います。
今議会に青少年保護育成条例の改正案が提案されておりますが、これは有害図書の自動販売機等への収納禁止規定に違反したものに対する罰金の額を二十万円から三十万円に引き上げようとする改正案であります。今、街には青少年に有害な図書がはんらんし、青少年の健全育成に大きな障害となっております。有害図書に限らず、たばこやアルコール類も対面販売なら未成年者をチェックできますが、自動販売機ではチェックは不可能で簡単に入手できます。またインターネットではいとも簡単に卑わいな写真を見たり購入できたりし、ほとんど野放しの状態にあります。
そこで伺いますが、まず青少年が売春等の性的被害者になる、いわゆる福祉犯罪の状況について県警本部長に伺います。また、自販機による有害図書違反の現況についても明らかにしてください。
次に、本県における自販機の設置状況と設置を許さない環境づくりについてであります。
青少年に有害な図書の販売について、地域の理解と協力を得て有害図書を販売する自販機の設置場所を提供しないよう地域ぐるみでの取り組みが肝要でありますが、いかがでありましょうか、見解を伺います。
次に、より積極的な有害図書収納自販機の取り締まりについて伺います。
有害図書を収納した自販機は特定されておりますので徹底的にマークし取り締まりを強化すれば、有害図書の販売を目的とする自販機を根絶することは困難なことではないと考えますが、いかがでしょうか。積極的な答弁を求めます。
最後に、インターネットを利用した有害電子図書の実態把握と取り締まりについてお尋ねし、二回目の質問といたします。
8 ◯商工観光労働部長(岡積常治君) 今回の住用村戸玉地区における岩石の採取計画認可申請につきましては、採石法の規定によりまして住用村長の意見を聞くとともに、十一月十四日に現地調査を行ったところであります。採石法においては岩石の採取計画認可申請が出された場合、個々の案件について個別に同法に規定する認可の基準に照らして判断することとなっております。
東町獅子島の場合は、地元町長から「基盤産業である水産業への影響が懸念される」という趣旨の意見が出され、また県としても同法の認可の基準に照らし審査を行い不認可処分としたところでありますが、国の公害等調整委員会において「不認可したことは違法な処分である」と裁定されたことから最終的には認可したところでございます。
なお、今回の認可申請については、今後申請者と地元との話し合いも持たれると思いますが、いずれにいたしましても採石法の規定に基づいて審査を行い、適切に対処してまいりたいと考えております。
県民を初め観光事業者や関係団体・業界、市町村、県が一体となって「観光まごころ県民運動」を推進するため、去る十月二十八日「観光ま
ごころ県民運動推進会議」を設立したところであります。また、今月十七日には「再び訪れたくなる、ふれあいの観光かごしまを目指して」をテーマとするシンポジウムを開催いたしますほか、観光まごころワッペン運動の展開やきれいな観光地づくりに対する表彰、観光まごころ県民運動推進員の設置、ホスピタリティマニュアルの作成など、県民への普及啓発や機運の醸成に努めることといたしております。
今後とも観光客を温かく親切に迎える運動を県民総ぐるみで展開し、観光客が「再び訪れたい」と思うような観光かごしまづくりを進めてまいりたいと考えております。
観光案内標識については、これまで主要な道路沿線や空港、港湾などのほか、指宿、霧島、桜島などの拠点的な観光地に計画的に整備してきております。また、主要観光地を案内する観光案内板を主要な国道沿いや高速道路のサービスエリアを初め県内各地の観光地に設置しているところであります。
県といたしましては、本県を訪れる観光客が快適かつ安全に観光が楽しめるよう、道路管理者や市町村と連携を図りながら効果的な観光案内標識の整備充実に努めてまいりたいと考えております。
9 ◯土木部長(直江延明君) 開陽高校の開校に伴います周辺道路整備のうち谷山地区の
県道鹿児島加世田線につきましては、一部隘路となっておりました谷山インターチェンジ付近の二区間、合計の延長二・二キロメートルにおきまして、平成七年度から線形改良や歩道の整備を進めてきたところでございまして、これらにつきましてはいずれも平成十五年春の完成を予定いたしております。
また、鹿児島南高校から開陽高校に至ります市道につきましては、現在鹿児島市において谷山第二土地
区画整理事業の中で施工中でありまして、平成十五年の開校までには整備を終えると聞いているところでございます。また、残されました開陽高校周辺の市道につきましても今後できるだけ早い時期の完成を目指し整備を進めていきたいと聞いているところでございます。
10 ◯教育長(福元 紘君) 開陽高校は来年四月に県農業試験場跡地に移転開校いたしますが、開校時の生徒数は、全日制課程が二百人程度、定時制課程が三百二十人程度、また通信制課程は日曜日、月曜日のスクーリング時に三百人程度を予定しており、多くの生徒が新たに谷山地区に通学することになります。このため、現在JRや市電・市バス等に対して交通アクセスの充実をお願いしているところでございます。
なお、JRによる通学につきましては、開陽高校から谷山駅が約一・二キロメートル、慈眼寺駅が約一キロメートルの距離にあり、自宅の所在地等で利用する駅も決まってくると思いますが、交通量などの道路状況を考慮し、学校において安全な通学路を指導するなどして生徒の安全が確保されるよう努めてまいりたいと考えております。
本県における完全学校週五日制に伴う事業の実施状況につきましては、本年八月に実施された文部科学省の調査によりますと、土曜日に市町村が取り組んだ事業の実施率は九五%となっております。事業内容では、スポーツ活動、自然体験活動が全国同様多くなっていますが、他県と比較して奉仕・ボランティア体験や「郷土の伝統芸能や史跡にふれる」活動の実施率が高く、また土曜日に子供や家族を対象に教室や図書館、校庭等を開放している学校は、小学校で七九%、中学校で五九%となっております。子供たちの活動への参加状況は、「一度でも参加したことがある」と回答した小学生が七五%、中学生では五六%であります。これらの調査結果はいずれも全国平均を上回っていますが、今後とも市町村や関係団体等と連携をとりながら、子供たちの豊かな体験活動の機会とその場の確保に努めてまいりたいと考えております。
11 ◯警察本部長(久保潤二君) まず一点目でございますが、十月末現在の福祉犯の検挙状況につきましては七十九件、九十六名でございまして、被害少年百一名を保護しております。前年同期と比べますと、検挙件数で十九件、検挙人員で二十五名ということで、相当の増加となっております。このうち少年の性的被害を伴う児童買春あるいは県条例違反のいん行などで四十一件、三十三名を検挙しておりまして、被害少年三十名を保護しているところでございます。これにつきましても、検挙件数が十四件、検挙人員も十四名と、増加となっているところでございます。
それから二点目は有害図書収納事案でございますが、これにつきましては平成十二年以降昨年まで四業者を検挙しておりまして、自動販売機五十三台の捜索をしております。本年も県外の一業者を検挙しておりますけれども、悪質な業者が後を絶たないというような非常に厳しい状況でございます。県警としましては、今後も自動販売機に対する監視を強化しまして悪質業者につきましては徹底的に検挙してまいります。
三点目はインターネット上の有害サイトでございますが、これにつきましては県警本部で現在サイバーパトロールあるいはサイバー・モニターの委嘱をしておりまして、これによりまして情報の収集をしておるところでございます。検挙事案といたしましては、平成十二年の二月にホームページにわいせつ画像を掲載した事案がございますが、こういう事案につきましては、今後ともサイバーパトロールなどによる情報収集あるいはインターネット防犯連絡協議会との連携、あるいは関連法令の効果的な運用をしまして厳正に対応してまいります。
12 ◯保健福祉部長(中村健二君) 整肢園の平成十四年十二月一日現在の入所児童数は三十五名、うち
ペルテス病での入所児童数は八名でございます。平成十三年度における入所児童の帰宅状況につきましては、授業などのない土曜・日曜日等に月一回帰宅した児童の割合は三三%、月二回は三八%、帰宅しなかった児童は二九%であり、入所児童の約七割は毎月帰宅をされております。その交通費につきましては、重度の障害を持つ児童は身体障害者手帳による割引制度を活用されているところであります。
なお、整肢園では入所児童の処遇の向上などを図るため施設改善を現在進めており、新たに宿泊可能な家族交流室を整備し、離島などの遠隔地の保護者の負担軽減を図ることとしております。
13 ◯環境生活部長(牛之濱道久君) 図書・ビデオの自動販売機は、今月一日現在で二十四市町の四十四カ所に百四十二台が設置されております。県青少年保護育成条例は自動販売機の設置について「届出制」とし、有害図書などの収納を禁止しておりますが、県下百四十二台の自動販売機のうち百四十台に有害図書等が収納されている状況にございます。
このため県としましては、県警とも連携をとりながら有害図書等を自動販売機に収納しないよう業者への指導を行いますとともに、青少年育成団体、警察、学校、書店など関係業界などで構成する「青少年環境づくり懇談会」等を開催して、自動販売機の設置業者に有害図書等の撤去をさらに要請することや、自動販売機の設置に係る土地の貸し付け契約は慎重を期することなどを申し合わせるなどして取り組みを推進しているところでございます。
青少年の健全育成のためには、今後関係団体とさらに連携を深めて広報啓発活動を展開していくことが必要であると認識しておりますが、このような取り組みに加えまして、さきに県議会から意見書が提出されました「青少年健全育成に関する基本法」の制定なども必要と考えておりまして、今後とも国に対して要請してまいりたいと存じます。
なお、県では有害図書等を自動販売機に収納する違反の罰金額を引き上げるための条例改正を今議会に提案しているものでございます。
[成尾信春君登壇]
14
◯成尾信春君 それぞれ御答弁いただきました。
行財政問題につきましては国、地方を通じて極めて厳しい財政状況にあり、この財政危機が引き金になり、地方分権や市町村合併、財政改革論議が盛んになっております。国の補助金の廃止、
地方交付税改革、税源移譲は当然三位一体で進めるべきでありますので、知事の答弁にもありましたとおり、国に対して地方の実情をきちっと訴えて納得のいく改革になりますよう強く要請いたしておきます。
屋久島での画期的な挑戦については先ほど答弁がありましたとおりでありますが、電力会社が出資する日本自然
エネルギーが支援を検討しているほか、ホンダやBMWも水素燃料車のリース提供を打診しているようであります。脱化石燃料を掲げて
屋久島モデルとして世界にアピールできるいいチャンスですので、県としても特区の申請を初め最大の支援をよろしくお願いいたします。
県営住宅については、早速住民の要望を聞き入れていただき評価いたします。来年の十月ごろの完成を目指して工事が始まりますが、この答弁を聞かれて住民の方々もさぞかし喜ばれることと思います。
住用村での
岩石採取計画の認可につきましては、住民は業者への不信がぬぐい切れない中で業者とどう話し合えばよいのか全く先の見えない状況です。許可を与える県としてもっと積極的なかかわりをすることこそ肝要であり、今後の取り組みに期待をいたします。
開陽高校については、地域のシンボルとして地元住民からも喜ばれる学校になってもらうためにしっかりとした対策をお願いいたします。
整肢園入所者の保護者の負担軽減については、離島の方々等が宿泊できる家族交流室を整備されるとの答弁は評価いたしたいと思います。
学校週五日制については、保護者の方々の中には「今回の制度は教師の勤務時間が確保されただけ」などという皮肉とも嘆きともつかない声をよく聞きます。
川崎市では、来年から全市立小学校で児童健全育成事業「わくわくプラザ」に対して国の補助金交付を要求しております。この事業は、小学校一年から六年までの全児童を対象に放課後や土曜日、夏休みなどに小学校施設を活用し、児童の遊び場を確保するものであります。従来の留守家庭事業を継承発展させたものであります。
学校週五日制の趣旨はよく理解いたしますが、子供を持つ親の声に行政がこたえようと国へ申し入れをするという、まさに住民の目線に立った試行錯誤の試みこそ肝要であると思います。
さらに浅野宮城県知事は、補助金の縦割行政を乗りかえる事例をつくり出しております。重い障害のある子供が養護学校に通うとき、口から御飯が食べられないので管を使って胃に送り込むため、お母さんが一緒に学校に行かなければならない。学校の先生は医療従事者でないため、この行為ができない。そこで訪問看護ステーションから看護師を学校に派遣する要医療通学支援事業をつくり、厚生労働省と文部科学省の縦割を乗り越えて福祉分野で地域の実情に合った創意工夫の追求をされております。我が県でももっと創意工夫をして鹿児島モデルをつくり出してほしいことを強く要望いたしておきます。
青少年の健全育成にとっては、さまざまな要因で極めて有害な環境になっております。インターネットによる有害な電子図画の販売等の取り締まりは困難な状況ではありますが、有害図書の根絶については県警本部長からの答弁にもありましたように御苦労もあろうかと思いますが、県民の理解と協力を得ながらより徹底した対策を要請するものであります。
最後に、「水は答えを知っている」という本に、水をコップの中に入れ、分けて、「ありがとう」とか「ばかやろう」などと書いた紙を張って凍らせる。その結晶を電子顕微鏡で観察すると、それぞれ明暗の表情を見せるというのであります。たかが水と思いますが、著者はれっきとした水博士であり、その結晶写真を見ると信じる以外にありません。著者は、一杯の水を飲むとき「ありがとう」と感謝の言葉をかけて飲むことを勧めております。
水さえ効果があるわけであります。これからは周りのすべての人また物に感謝しながら、鹿児島が元気を取り戻せるよう頑張ることをお誓いし質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
15 ◯議長(溝口宏二君) 次は高橋稔君に発言を許可いたします。
[高橋 稔君登壇](拍手)
16 ◯高橋 稔君 去る十月五日、国分の「上野原縄文の森」がオープンいたしました。まさに天からの贈り物である上野原遺跡は考古学ファンにはたまらない夢の発掘であり、これまでの歴史がひっくり返る大発見であったわけであります。そして今、およそ九千五百年の時を超え、国内最古最大級の集落遺跡がよみがえったのであります。当時の生活をしのばせる連結土工や落とし穴、矢じりや土器などは私たちの想像をはるかに超えた文化的なものでありました。あの大地に立つと、人類の偉大さ、たくましさを感じ、不思議な感動と勇気がわいてまいります。既に開園以来七万人が訪れたとのことであります。私たちはこの歴史的遺産を大切に大事にしながら、できるだけ多くの皆様方にいろいろと活用していただきたいものだと思っております。
さて、総務行政より質問に入ります。
まず、市町村合併の問題であります。
このことにつきましては、県政の重要課題ということで私自身十数年取り組んできた特別な思いもあり、これまで数回にわたり質問させていただきました。今議会既に代表質問でも質問がなされておりますが、私なりに質問をさせていただきたいと思います。
いよいよ平成十七年の三月、合併特例法期限まで最終段階となって残された時間がなくなってまいりました。ここに来て、どの地域もそれぞれ自分たちの思いで自主的に話し合いをしながら合併に突入しようといたしております。合併に向かうということはそれなりに評価するわけでありますが、偏りのないバランスのとれたいいまちをつくるにはどうしても調整役が必要であります。
住民のアンケートをとると、都合のいい大きな恵まれたまちとくっつきたがるわけであります。鹿児島市周辺もそのような傾向にあるようでありますが、残されたところはどうなるのか、果たしてそれでいいのでしょうか。
自主的な合併を推進します、パターンは示しました、お手伝いはします、ただ合併して三万、十万のまちになればそれでいいというものでもないわけであります。しっかりと三十年、五十年先に対応できる理想的なまちづくりのためにも県が積極的に介入すべきであったと思うのであります。
私は、これまでにも県の指導力の必要性を強く訴えてまいりました。今や国家の仕組みを立て直すとき、市町村合併は地方が生き残れるかどうかがかかった最も重要な課題であります。政府においても歴代内閣が国・地方の行財政改革を唱えながら先送りをし、実に半世紀近くもぬるま湯に浸ってきたのであります。私を含め政治に携わるすべての人々がみずからの改革を含めた議論をどこまで真剣にやってきたのか疑問に感じております。
今国家財政は逼迫し、国際化・自由化・情報化社会の中で、地方自治はどうやってどこまで確立していけばよいのか、追い込まれてどうしようもなくなるまで国も地方自治体も対応しなかったのであります。民間企業であれば会社の将来性を考えながら、国という元請からいつ仕事や金が回らなくなるかもしれないという危機感を持ち、企業グループの生き残りをかけて企業役員、スタッフそれぞれを派遣し、絶えず徹底した合理化や時代に合わせた体制の確立、改革をやってきたはずであります。
よく「民間の発想」、「企業感覚で」という言葉が使われるわけでありますが、地方自治体五十年・百年の大計をはかるこの大事な合併問題には、大局的見地からと企業感覚の指導力が求められていたのではないかと思うのであります。しかしながら、いよいよ時間がなくなってまいりました。
そこで、お伺いいたします。
全国の市町村合併の状況と取り組み状況について、また本県の取り組み状況と県内同時進行状況の中、県の窓口体制は十分なのか、その指導性についてもお伺いいたします。
二点目に、
法定合併協議会設置へ向けて時間がない中でさまざまな問題があると思うわけでございますが、どのような点があるのか。また、その対策についてお伺いいたします。
三点目に、いまだに情報不足を指摘する声もあるようでありますが、PRの現状と今後の対応についてお伺いいたします。
また道州制の問題につきましては、昨日同一内容の質問がなされておりますので、割愛させていただきます。
次に、消防団員の件についてお伺いいたします。
消防団員の確保につきましては、社会構造の変化からどの地域にあっても難しい昨今の現状があるわけでありますが、消防団員確保の一環として、このほど総務省消防庁が都道府県に対し地方公務員の消防団入団を促進するよう求めたとのことであります。この要請を受け、今後どのように対応されるつもりなのか考えをお伺いいたします。
二点目に、本県における消防団員の現状について、女性団員の現状もあわせてお伺いいたします。
三点目に、既に地方公務員が入団している地域はどのぐらいあるのか、その現状についてお聞かせいただきたいと思います。
次にカラモジアの件でございますが、「汗と土と潮のふれあい」をテーマに地方の草の根国際交流から始まったカライモ交流は発足以来二十周年を迎えておりますが、一時問題等もあり大きな岐路に立たされております。特に地方とアジア太平洋地域との国際交流ということで、これまで五十数カ国、五十数市町村が交流し、注目されてきただけに残念な気がいたしております。
今せっかく芽生えたこの国際交流の息吹を何とか立て直したいということで、財団法人カラモジアが再建へ向けてスタートいたしているわけであります。なかなか厳しい状況にあると聞いておりますが、再建へ向けての問題点は何か。また、どのような指導を行っているのかお伺いいたします。
次に、警察行政についてお伺いいたします。
北朝鮮による拉致事件や国際テロ事件など世界的にも緊張が走り、平和が脅かされる今日の状況にあります。南北六百キロメートル、人ごとでない本県の現状や国際化・情報化の進展に伴い複雑・多様化する犯罪の中、県民の暮らしと安全を守るため日夜御努力をいただいておりますことに感謝いたしているところであります。おかげさまで本年度は刑法犯の検挙率も向上しているようでありますし、少年非行も減少してきているようでございます。
そこでまずお伺いいたしますが、一点目に、少年非行が減少してきているようでございますが、その要因についてお伺いいたします。
二点目に、去る平成十一年十月に全国的に注目をされた不安防止条例を制定し、その後十二年にストーカー規制法が制定されたわけでありますが、条例や規制制定後、これまでの取り締まり状況についてお伺いいたします。
三点目に、ネット犯罪、ハイテク犯罪の現状についてお伺いいたします。最近全国的にはドアをあけるピッキング犯罪やひったくり事件が多発しているとのことでありますが、本県の現状と防止策についてお伺いいたします。
四点目に、年末年始の交通事故防止について、特に条例制定を目指す暴走族についてお伺いいたします。
次に、農政問題について数点お伺いいたします。
日本の農業・農村は食を支えているだけではなく、国土・水資源・環境・文化・福祉・健康などさまざまな面に貢献する多面的な機能を有しており、水稲作付はその最たるものであります。しかしながら、米の消費量が落ち込み需給バランスがとれず、来年度も本年度産に五万ヘクタールを上乗せし、過去最大となる百六万ヘクタールの生産調整を行おうとしております。国内は既に米の生産が可能な水田の三分の一程度が生産を打ち切っており、転作奨励金も五十二億円ふえて千九百四十八億円にも達する見込みとなっております。
食糧自給率の向上を掲げながら、でき過ぎたら困るというので青田刈りを行う、売る自由・つくる自由を掲げながら価格水準の安定を図らなければならない。農家は複雑な思いで丹精込めてつくった大事な米を出荷前に刈り取ってしまわなければならないのであります。工場製品では出荷前の製品を壊してしまうというようなことは、まずないわけであります。農家に「元気を出せ」と言われても発憤できない部分もあるわけであります。
近年、米作農家は専業が少なくなり兼業農家がふえております。しかも僻地や山間地域においては高齢化も進展し、転作から耕作放棄のところもふえており、一度荒らした田んぼはなかなかもとには戻らないわけであります。そのような地域の将来十年後を憂う声もあります。
そこで、お伺いいたします。
一点目に、僻地や山間部における耕作放棄の現状、高齢化状況、担い手対策についてお伺いいたします。
二点目に、農業全般において経営状況のいい農家もあれば、固定負債を抱える農家もあるわけであります。ここ数年の負債農家の現状と要因、支援措置についてお伺いいたします。
三点目に、環境保全型農業の推進が図られているわけでございますが、化学農薬の使用状況についてお伺いいたします。また、無化学・無農薬栽培の農産物が近年注目をされているわけでありますが、現状と課題、支援策についてお伺いいたします。
四点目に、県内各地において都市と農村の交流を目指すグリーン・ツーリズムの取り組みがなされているところでありますが、その取り組み状況とその効果についてお伺いいたします。
五点目に、農業への関心が近年高まってきており、営農塾などで学ぶ人が多いと聞いております。新規就農希望者の状況と就農まで至らなかった方の問題点は何か、また新規就農者のうち離農者の状況、要因についてもお伺いいたします。
六点目に、これまで苦労続きであった県産牛が最近全国畜産共進会等において高い評価を得ており、価格もいい状態になってきているのではないかと思っておりますが、現在どのような状況にあるのか、価格を含め、県産牛の評価と子牛価格相場の見通しについてお伺いいたします。
七点目に、今回発生した作物病害虫の発生状況についてお伺いいたします。中でもカメムシは異常発生したとも言われているわけでありますが、発生状況、原因、対応策についてお伺いいたします。また、ジャンボタニシが今県内でどこまで繁殖しているのか、その現状と対策についてお伺いいたします。
[
知事須賀龍郎君登壇]
17 ◯知事(須賀龍郎君) 市町村合併につきましては、昭和六十年度以降、これまで全国では二十七件の市町村合併が行われております。ことしの十月現在における全国の市町村の取り組み状況につきましては、全国市町村の八二%に当たります二千六百四十七の市町村が協議会や研究会などの組織を設置いたしまして、合併に向けた取り組みを進めているところであります。
本県におきましては、現在県内市町村の九三%に当たります八十九市町村が参加して二十の協議会や研究会等が設置されておりまして、鹿児島地区、川西薩地区など五地区において
法定合併協議会の設置に向けた手続が進められておりますなど、県下各地域におきまして合併実現に向けた具体的な取り組みが進められております。
県といたしましては、市町村における取り組みを積極的に支援してまいりますために、昨年五月には私を本部長といたします「県市町村合併支援本部」を設置いたしますとともに、ことしの四月には市町村合併推進室の体制を充実強化したところであります。また、合併重点支援地域に指定しました地域を所管しております総務事務所等には「市町村合併地域支援本部」を設置いたしますなど、その体制の強化に努めているところであります。
県といたしましては、これらの組織を中心といたしまして、県下各地域における取り組みに対しまして情報提供はもとより必要な助言を行いますなど、さまざまな支援を行っているところであります。今後とも地域における取り組みに対しましては積極的に支援を行ってまいりたいと考えております。
18 ◯総務部長(佐々木敦朗君) 合併協議に要する期間につきましては、国が昨年示したマニュアルによりますと、協議が順調に進んだとしても合併協議会設置準備も含めて二十二カ月の期間が目安とされておりまして、合併特例法の期限が平成十七年三月末までであるということを踏まえますと、本年度は大変重要な年であると認識しております。現在県内においては五地区において
法定合併協議会の設置に向けた手続が進められるなど、県下各地域におきまして合併実現に向けた具体的な取り組みが進展してきておりますが、一方で合併の必要性でありますとか枠組みについての議論に時間を要している地域もあるわけでございます。
そのような地域におきましても行財政シミュレーション等の結果をもとにした
住民説明会等がなされるなど住民と一体となって合併実現に向けた努力がなされているところでございまして、県としては、今後各地域においてできるだけ早い時期に
法定合併協議会が設置されることを期待しておりまして、今後とも合併実現までの各段階に応じた支援を積極的に行ってまいりたいと存じます。
県においては、これまで「県政かわら版」やマスメディアを活用した広報啓発、啓発ビデオの作成・配布等により、県民の方々の市町村合併に関する機運の醸成を図ってきたところでございます。また市町村合併を進めるに当たっては、地域の現状と展望などその判断をするための情報が十分に提供される必要があると考えており、県としては「地域の将来像等に関する調査研究事業」の実施や地域が実施する「行財政シミュレーション」に対する助成を行うとともに、その調査結果を踏まえたシンポジウムや市町村が行う
住民説明会等を通じて地域住民の方々への情報提供に努めているところでございます。
県としては、今後とも県民の方々への広報啓発に努めますとともに、地域の状況を踏まえつつ情報提供はもとより必要な助言を行い、地域における自主的・主体的な取り組みに対しさまざまな支援を積極的に行ってまいりたいと存じます。
本県の消防団員数は平成十四年四月一日現在で一万六千六百九十三人となっており、高齢化とともに年々減少の傾向にございます。このうち女性消防団員は九市町村で六十二人、また地方公務員は五十九の市町村で千百十五人となっております。県としては、これまでも消防団の活性化や団員確保のため青年層の参加促進を総合的・計画的に推進するよう市町村に対し指導してきておりますが、このような中で先般総務省消防庁から「
地方公共団体職員による消防団員への入団促進」について通知があり、これを受けて県内の市町村に対しても職員の消防団への入団促進について文書で要請をしたところでございます。今後とも女性消防団員や
地方公共団体職員を含む青年層の積極的な加入促進が図られるよう努めてまいりたいと存じます。
財団法人カラモジアの再建について、県は八月二十七日付で基本財産額五千万円の財団として再スタートする再生計画書及び基本財産復元計画書を承認し、その進捗状況等について二カ月ごとに報告を受けることとしております。先般の報告によりますと、基本財産の復元が本年十一月末の計画額約二千万円に対し実績が約一千六百万円にとどまっておりますとともに、平成十四年度の運営資金についても寄附金や会費等の収入が目標額を下回っている状況でございます。
県といたしましては、財団の適正な業務運営について必要な指導を行いますとともに必要な資金の確保を図るためにも、県民の理解と協力を得るための財団活動の情報発信や関係者一体となった取り組みに努めるよう指導をしているところでございます。
財団法人カラモジアが一日も早く再建を達成され、本県を代表する国際交流・協力団体として活発な取り組みを展開することができるよう、引き続き必要な助言・指導を行ってまいりたいと存じます。
19 ◯警察本部長(久保潤二君) 一点目の少年非行につきましては、十月末現在刑法犯少年が千五百十三人で前年に比べますと一九・一%の減少、不良行為少年につきましては一万三千九百六人で一〇%の減少となっております。この減少の要因につきましては、暴走族などの非行集団に対する徹底した検挙、それから学校関係者あるいは少年警察ボランティアなど関係機関・団体が一体となった街頭補導活動が成果を上げたものと考えているところでございます。
二点目は不安防止条例でございますが、この条例違反で二十三件を現在まで検挙しております。その内訳につきましては、卑わい行為が二十一件、つきまとい行為などが二件という状況でございます。ストーカー規制法につきましては百七十九件の相談を受けまして、同法違反で八件を検挙しておりますし、そのほか刑法等の法令を適用しまして二十五件のストーカー行為を検挙している状況にございます。
三点目はネット・ハイテク犯罪の関係ですが、まず相談件数につきましては、昨年が二百二十五件、そして本年は十月末現在で既に二百三十一件となりまして、年々増加の傾向にございます。検挙状況につきましては平成八年以降二十二件を検挙いたしまして、本年はインターネットオークション利用による詐欺事件を検挙したところでございます。
それから、次はピッキングを使用した侵入窃盗事件でございますが、本県では平成十二年に初めて県内でピッキング使用の侵入窃盗事件が九件発生しております。昨年は十五件発生しておりますが、その後の発生は現在のところはございません。一方、ひったくりにつきましては十月末現在七十九件で、前年に比べまして六件増加している、その約八割が
鹿児島市内で発生しているというような状況でございますので、県警本部と
鹿児島市内三署合同でチームを組みまして未然防止と検挙に当たっているところでございます。
最後に交通の関係でございますが、今月二十二日から一月十日までの間、「年末・年始の交通事故防止運動」を強力に展開をしておりまして、その中で飲酒運転やスピード違反を重点として検挙しておりますし、交通事故防止のための広報活動を徹底しております。特に暴走族につきましては、この間活動が活発化しまして、大みそかにつきましては「初日の出暴走」と称しまして県外からも流入することが考えられますので、特に
鹿児島市内あるいは県境主要道路におきまして大型検問を実施しまして徹底した検挙をします。
20 ◯農政部長(富岡忠勝君) 本県の中山間地域七十市町村における平成十二年の耕作放棄地率は七・七%、農業就業人口の高齢化率は五五%と高くなってきております。このため平成十年策定の「地域農業システム化推進構想」に基づき各般の事業を進めました結果、中山間地域では平成十四年三月末で集落営農組織等が二百二十五育成されております。また農作業受託も延べ一万二千ヘクタールで実施されますとともに、農用地面積の三二%の約二万二千ヘクタールが担い手に集積されております。今後四年間に県下四十地区で農作業受委託等を行うための支援を行うことにしております。
毎年農協を対象に負債が一件でもある農家について調査しておりますが、平成九年度は農家は七千七百四十六戸、一戸当たりの負債額は約九百七十六万円、平成十三年度では農家数は六千五百二十四戸、一戸当たりの負債額は約一千四百四十三万円となっており、農家数は減少していますものの、一戸当たりの負債額は増加しております。
返済が滞った理由は、技術不足、価格低迷、病気・離農などの順となっております。県におきましては、市町村・農協等と連携し適切な経営・技術指導に努めますとともに、経営維持や負担軽減のための資金等を活用し、負債農家の経営改善を支援しているところでございます。
化学農薬につきましては、発生予察情報に基づく的確な防除、天敵を利用した生物的防除などの推進により、平成十二年度の県内の農薬使用料は十アール当たり六・八キログラムとなり、昭和六十年度対比で六三%まで減少してきております。無農薬栽培は年々増加し二百五十四ヘクタールで取り組まれておりますが、除草作業や害虫の駆除などに手間がかかりますこと、生産物が必ずしも有利販売とならないことなどの課題がございます。県としましては、農業者に対する技術指導や消費者の理解促進を図りながら環境にやさしい農業の推進に努めているところでございます。
グリーン・ツーリズムにつきましては、平成十三年度から普及展開事業を実施し、「子ども農家民泊体験ツアー」、「田んぼゴルフ大会」などの都市住民を交えた実践活動を支援するなど、その普及定着を図っており、本年度は十二市町村において取り組んでおります。
なお、事業を十三年度に取り組んだ八市町村においては、農産物直売所や加工施設等二十四カ所の利用者が前年度に比べ一五%増加し二百十万人に達しております。このほか県内各地において、農産物直売・レストラン等を有する総合交流施設の増加や交流イベントが活発化するなど、消費者とのふれあいを通じた農村地域の活性化につながっているものと考えております。
新規就農相談所が開設されました平成四年度から十三年度までの就農相談者数は二千三百名で年々増加しており、このうち就農に結びついた者は約一四%の三百三十一名となっております。
就農に至らなかった者の主な理由は、家族内での同意が得られていないこと、就農に当たって準備資金や農業技術の習得が必要であることの認識が薄いことなどが考えられます。また、平成十三年六月時点で平成九年度から三年間に新規就農した七百七名について追跡調査いたしました結果、離農した者は約四%の三十名となっております。
離農した主な理由は、他産業から就農した者につきましては、農業の厳しさや農村社会に対する認識が甘かったこと、農家の子弟につきましては家族間の意見の食い違いや理解不足などとなっております。
岐阜県で開催されました全国和牛能力共進会につきまして、本県の出品牛は種牛の六つの区で農林水産大臣賞を受賞し、「鹿児島黒牛」が全国のトップレベルにあることが証明されました。これは、本県がこれまで優良雌牛の導入・保留と優良種雄牛の造成等に努めてきたことが評価されたものであると考えております。
子牛市場においては県外からの購買者も増加し、十一月の平均価格は三十九万九千円で、BSE発生前の価格を上回っております。なお、この好調な相場は全国的な子取り用雌牛の減少傾向や枝肉価格の回復傾向等に支えられまして、今後も堅調に推移するものではないかと考えております。
本年度の病害虫は春先の気温が平年よりやや高く推移いたしましたため早目に発生いたしましたが、その後の発生はほぼ平年並みとなりました。カメムシ類につきましては八月以降発生が急増し、果樹を中心に被害が見られました。これは暖冬で越冬成虫の生存率が高かったこと、えさとなりますヒノキや杉の球果が多かったことなどが原因と考えられます。このため病害虫防除所が注意報を出しまして、カメムシの早期発見と早期防除の徹底を図ったところでございます。
ジャンボタニシにつきましては、近年発生面積が増加傾向にあり、水田の二五%の約六千七百ヘクタールで生息が確認されております。なお、約五百七十ヘクタールで被害が発生しております。
[高橋 稔君登壇]
21 ◯高橋 稔君 まず市町村合併の問題でございますけれども、現在地方制度調査会や自民党国家戦略本部において道州制導入の検討がなされております。世界経済の中で日本が生き残っていくためには自己責任・自己決定の責任を持つ地方自治の確立を図っていかなければならないわけであります。そのために、当然道州制を踏まえた市町村合併を考えていくべきであると思っております。政令指定都市になるとそれぞれ権限を持っているので、県の指導監督の権限は及ばなくなってくるわけであります。
今回の市町村合併は、日本の国の将来を左右する重大な明治維新にも匹敵する大改革であります。私は鹿児島から日本を変える、全国に先がけて中核都市、パイロット自治体、そして十万都市と、三段階構想で国際化に対応できる鹿児島の体制の整備を図るべきだと思うのであります。
十年もすると、道州制を含む二次編成が進展するだろうと思っております。三十年後、五十年後の立派な南九州の創造を目指して、今多少批判はあっても勇気と英断を持って、なお一層取り組んでいただきますことを御期待し、お願い申し上げておきます。
消防団員の件でございますが、消防団員の苦労は私も十数年団員をいたした経験がありますので、よくわかっているつもりであります。入団者の確保が難しい中、地域住民の生命・財産を守るため地方公務員の協力が得られれば大変ありがたいことだと思っております。この件につきましては、ぜひよろしくお願い申し上げます。
カラモジアにつきましては、民間の草の根活動は大変難しい部分もあるわけでありますが、せっかく根づきかけた国際交流の火が消えないよう適切な指導を今後もお願いいたしておきます。
警察行政につきましては、時代が変われば新たな形態の犯罪が発生してまいります。景気が悪くなると、弱者につけ込んだ悪質な金融業者やハイテク関連業者が勝手にどんどん入り込んでくるようであります。それでなくても平和・安全・安心の中で暮らしてきた日本人は無防備でだまされやすいと言われております。今や国の内外において平和や常識が非常識者によって脅かされております。住民も自分の身は自分で守る基本原則を再認識し、非常識者にだまされない常識・知識・対処法をしっかり学ぶ必要もあるのではないかと思っております。そういう方面につきましても、被害に遭わない啓発をお願いいたしておきます。
また、三島・十島のフェリー問題については、これは当然のことでございます。離島振興法に約束されているこの補助が市町村合併によって廃止になるということはあり得ないことでございます。
わかって質問したというわけではございません。一般島民、一般村民はそこがわからないわけでございます。私どもには当然なことでも、やはり県民の皆様方には当然のことではないわけでございますので、ここのところはどうかきめ細かな情報開示と情報提供、そして説明責任を果たしていっていただくようにお願い申し上げたいと思います。
特に、迫田部長さん、第三セクターの問題あるいは山川・根占航路等の問題、大変お忙しい身でございます。しかしながら、部長さんは奄美出身でいらっしゃいます。奄美の方々、あるいは離島の方々の物の考え方に対しましては、殊さらに特別なお気持ちもあられるのではないかと思いますが、どうかお忙しい中、この離島、そして海を隔てた合併につきましても、お力添えをお願い申し上げておきたいと思います。
それでは最後に、財政問題について質問を続けさせていただきたいと思います。
国において
地方交付税の見直しが検討されていることは特に御存じのとおりでございます。
総務省と財務省でいろんな見解の根本的な違いはございますが、どちらも
地方交付税をこのままにしておいていいといったような議論ではなさそうでございます。また総務省は、先般、二〇〇三年度から
地方交付税における留保財源率を五%引き上げるという方針を固めたとお聞きいたします。
いわゆるこの留保財源率が引き上げになりますと、交付税総額が変わるということではなさそうでございますけれども、しかしながら、税収減の影響を受けやすくなりまして、税収の伸びているところは自由裁量の税源がふえるわけでございますが、税収の少ない、いわゆる自主財源の少ない我が鹿児島県などは、大変窮屈な財政運営をしていかなければならないことになります。
そういった状況の中で、全国的に都道府県の税収が落ち込んでいるということでございますし、また、本県も法人二税の税収の落ち込みが予想されるということで、県税税収の減額補正を組まれたところでございます。
この件につきまして、質問させていただきたいと思いますが、第一点でございます。十二月補正で法人二税、いわゆる法人県民税と法人事業税にかかわる県税の減額補正を行うわけでございますが、今までも代表質問、一般質問で質問がなされたわけでございますけれども、今までの質疑の中で、法人二税以外の税目についても極めて厳しいという午前中の知事の御答弁もございました。今後、三月補正に向かって、そういった状況を踏まえて、県税全体の見通しをどのようにとらえておられるのかお聞かせ願いたいと思います。
第二点、十二月補正で県税の減額を行うと同時に、県債を発行することとしています。県債は十二月補正後では千六百八十九億円となり、当初予算の千四百八十三億円と比較いたしますと、当初に比較して二百六億円増加することになります。
また先般、当局が作成されました財政収支見通し、今年度の財政収支見通しの千五百四十億円よりも既に増加いたしております。
本年五月に示された収支見通しにおいては、平成十四年度は二百六十五億円の要調整額が生ずることになる、いわゆる収支不足額が見込まれている。しかしながら、
財政改革プログラムに掲げる収支改善を図ることによって、要調整額を二百二億円に圧縮するとなっております。
県税収入が減少し、県債発行が増加する中で、今後厳しい財政運営が予想されますが、平成十四年度における要調整額は、何としてもこの二百二億円にとどめていただきたいと思うわけでございます。しかしながら、今の状況では要調整額がこの金額を拡大するのではないかとも懸念いたします。御見解をお聞かせください。
第三点、国においては現在、
国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分のあり方について、いわゆる三位一体改革に向けた検討が進められております。このうち
地方交付税制度の見直しについて、先般財政制度等審議会から
地方交付税の財源保障機能を廃止する意見が出されました。いわゆる財務省からの意見でございます。
財源保障機能は、
地方公共団体が一定の行政水準の確保を図る上で重要な役割を担っていると考えるわけですが、県の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
第四点、平成十三年度末の県税滞納額は約四十五億円となっており、前年度末に比べ約三億七千万円増加いたしております。
このような県税滞納額の増加傾向は極めて憂慮すべき問題であり、一刻も早くその増加傾向に歯どめをかけなければならないと考えます。つきましては、県税滞納額の縮減に向けた取り組み、特に自動車税における対策についてお伺いいたしたいのであります。
第五点、未利用地の売却については、
財政改革プログラムの中でも内部努力による収入確保策の一つとして掲げられてあります。
先般、一般競争入札により売却を行ったとのことでありますが、今年度の未利用地売却への取り組みの状況について、お伺いいたしたいと思います。
第六点は、今年度の人事院勧告においては厳しい経済・雇用情勢もあり、民間企業の給与と県職員の給与との比較の結果、給料の引き下げ、ボーナスの四年連続の引き下げなどを行う必要があるとした勧告がなされたと聞いております。この人事院勧告についてどのように対応していかれるのか考え方をお聞かせください。
これで二回目の質問といたします。
[
知事須賀龍郎君登壇]
44 ◯知事(須賀龍郎君) 今年度の国の人事院勧告は、民間の一段と厳しい給与実態を反映しまして、勧告制度創設以来初めて給料を引き下げますとともに、期末手当の支給月数も引き下げる内容となっております。
本県の人事委員会勧告におきましても、人事院勧告の内容に準じて改定する必要がある旨の勧告がなされているところであります。
県職員の給与につきましては、これまでも地方公務員法等に基づき、県人事委員会の勧告を受けて、国に準じることを基本として取り扱ってきたところでありまして、県としては職員の給与改定につきましては、関係条例案を近く追加提案させていただきたいと考えております。
45 ◯総務部長(佐々木敦朗君) 平成十四年度の県税収入については、前年度当初予算対比九五・六%の一千三百七十五億一万五千万円を予算計上しておりましたが、法人二税について、製造業において情報通信機器関連企業等を中心に業績が悪化をしていること、金融業において収益が減少していることなどから、現時点で大幅な税収減が見込まれますため、今回七十八億七千九百万円の減額補正をお願いをしているところでございます。
一方で、収支見通しにおきます平成十四年度の収支改善後の要調整額の二百二億円は、幾つかの前提条件のもとに試算を行った上で、財政改革による収支改善効果を加味した歳入と歳出の乖離額でございます。
今回お願いをしております法人二税の減額分については、後年度交付税措置のある
減収補てん債を同時に予算計上しておりまして、今年度の要調整額に影響を及ぼすものではないと考えております。
しかしながら、法人二税以外の税目についても、税収見通しは極めて厳しい状況にありますなど、本県を取り巻く財政環境は厳しいものがあり、引き続き年度末に向けて税収の確保を含め、所要の財源確保に最大限の努力を傾注してまいりたいと存じます。
地方交付税は、国が定めた施策を地方が実施することに対する財源保障や、全国的な税源の偏在・不均衡を是正する財政調整を行う上で極めて重要な役割を果たしておりますが、この財源保障機能は国が
地方公共団体に一定の行政水準の確保を求めている仕組みと不可分の関係にありまして、財政調整機能と一体としてその機能を果たしております。
国庫補助負担金、
地方交付税及び税源移譲を含む税源配分のあり方の検討に当たりましては、まず国から地方への税財源の移譲が行われることが必要不可欠でありますとともに、地方歳出に関する国の施策の見直し抜きに
地方交付税の削減だけが行われるべきではなく、引き続き
地方交付税による財源保障機能及び財政調整機能を確保する必要があると考えております。
県税の滞納縮減については、「県税滞納縮減特別対策本部」を設置し、これまでも各種の広報媒体を通じた納税意識の高揚に努めるほか、市町村と共同で文書催告や滞納整理等を実施するとともに、ことし八月に新たに策定した「県税未収債権管理マニュアル」に基づき、滞納者に対する督促や催告の早期実施、給与の差し押さえ等の厳正な徴収対策に努めるなど、全庁的な取り組みを行っているところでございます。
特に、自動車税については、納期内納付促進の広報活動や、口座振替制度への加入促進に努めておりますほか、本年四月には自動車税管理事務所の徴収部門を鹿児島総務事務所へ移管し、徴収体制の統合・強化を図ったところでございます。
また、先月二十五日からは、自動車税を中心とした集中的な滞納整理を行うため、県下一斉に休日徴収作戦及び夜間電話作戦を実施しているところでございます。
今後とも県税の滞納縮減に向けて最大限の努力を続けてまいりたいと存じます。
46 ◯出納長(和田正道君) 未利用地の売却につきましては、先般十件の土地につきまして一般競争入札を実施しました。このうち四件が約八千二百万円で落札されたところであります。
また現在、国分警察署跡地約四千三百平方メートルを九州郵政局に郵便局用地として、年内に売却する方向で必要な手続を進めているところでありまして、これを含めますと、今年度見込んでおりました売却額六億円の確保はできるものと考えております。
[永田けんたろう君登壇]
47 ◯永田けんたろう君 ありがとうございました。
それぞれ御答弁いただきました。
財政問題につきましては、やはり
財政改革プログラムで予定いたしておりました要調整額を堅持するということが今後の大きな財政運営のポイントであろうというふうに思います。
ただいまの総務部長の御答弁をお聞きする中で、そのことについての心配はないといったようなことでございました。ひとまず安心いたしたいと思います。
しかしながら、三月に向けまして他の税目についてのいわゆる減収ということも予想されるわけでございますので、万全の体制で、よもや要調整額の変更ということがないようにお願い申し上げておきたいと思います。
また、自動車税の完納につきましては、我が会派の代表質問でも触れておりまして、完納システムの開発について要望があったと記憶いたしております。
実は私は、この自動車税の完納問題につきまして、当局と協議する中で、自動車税を払った車には完納済み票というステッカーを貼付したらどうですかというふうに申し上げたわけでございます。
私としてはすばらしいアイデアだったと自分で思っているわけでございますが、当局にお聞きいたしますと、そういうことをすると完納した人としない人を一般大衆、一般社会の中で区別することになって、いわゆる守秘義務に違反する部分が出てくるということでございまして、なるほどそういった問題もあるのかと改めて認識もしたわけでございますが、私のすばらしいアイデアはまないたの上にのって包丁が入るまでもなく消えてしまったわけでございます。
しかしながら、いろいろな御努力をしておられますことは御理解いたしますとともに、ぜひこの完納システムについても全国のどこかで何かそういったことをしているところはないのか、あるいはまた職員の方々からいろんなアイデアを募集するなどしてぜひ考えていただけたらというふうに思います。
以上、教育問題、市町村合併について、財政問題について御質問させていただきました。
これで私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
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△ 請願・陳情の委員会付託
48 ◯議長(溝口宏二君) 次に、受理いたしました請願・陳情は、配付いたしております請願・陳情文書表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。
これで、本日の日程は終了いたしました。
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△ 日程報告
49 ◯議長(溝口宏二君) 十二月九日は、午前十時から本会議を開きます。
日程は、一般質問であります。
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△ 散 会
50 ◯議長(溝口宏二君) 本日は、これで散会いたします。
午後三時十三分散会
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